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アルチンボルド展 [EXHIBITION]

もはや「いつ行ったんだっけ?」と思い出せないほど
鮮度が落ちている展覧会鑑賞ネタ(^^;。

「いつ行ったんだっけ?」と
スマホで付けている《日記のようなもの》を遡ってみたら
6月28日(水)だった。

場所は国立西洋美術館。
arcinboldo_1.jpg
天気はどんより曇り空。

そうだ、思い出した。
先頃リニューアルオープンした、美術館内のカフェ「すいれん」で
お昼ご飯を食べようと思っていたのだけど
混んでいたから諦めたんだった。
「ル・コルビュジエ ランチプレートセット」…食べたかったなぁ。

ま、そんなことはいいとして(^^;ゞ
展示室入り口のある地下に降りて行くと、今度はこのような看板がお出迎え。
arcinboldo_2.jpg
この入り口フロアには「アルチンボルドメーカー」という
企画モノのコーナーもある。
液晶モニタの額縁の前に立つと、野菜や果物で自分の顔が作られて
アルチンボルド風の肖像画が出来上がる、というもの。
面白そうだしやってみたかったんだけど、結構並んでたので諦めた。


ところで「アルチンボルド」とはどんな画家なのか。
きっと名前は知らなくても、その作品を観れば
「あぁ!この絵は観たことがある」という人が多いのではないだろうか。
あるいは野菜とか果物とか道具などの日用品で人間の顔を描いちゃう人
と言えば、ピンと来るかもしれない。

展覧会で言えば、
2009年と2014年にBunkamura ザ・ミュージアムで開催された
『奇想の王国 だまし絵展』『だまし絵II 進化するだまし絵』にも
アルチンボルドの作品が出品されていたと記憶している。

などと書いてるアタシも、アルチンボルドという名前とその代表作は知っていても
どこの国でいつ頃生まれた画家なのか、実はそんなことも知らない状態(^^;ゞ。
こんな前衛的でへんてこりんな絵を描く人なんだから
まぁ割と新しい時代…19世紀あたりの画家じゃないの?と思っていた。

が、違った。

ジュゼッペ・アルチンボルドは、1526年ミラノ生まれ(1593年没)。
同時代の画家では、ティツィアーノ(1488/90頃-1576)
ブロンツィーノ(1503-1572)、ティントレット(1518-1594)
ブリューゲル(父)(1525/30-1569)などがいる。
日本で言うと桃山時代。

…意外と古い人だった。

1562年に、ウィーンの神聖ローマ帝国宮廷に招聘され、
フェルディナント1世、マクシミリアン2世、ルドルフ2世と
三代の皇帝に使える宮廷画家として活躍した。

展示の前半には、ジュセッペ・アルチンボルドに帰属とされる
「大公皇女(マルガレーテ?)」「大公皇女(バルバラ?)」という
ごく普通の肖像画を観ることが出来るのだけど
これが…なんというか…まぁ…フツー過ぎて、今ひとつパッとしない(^^;。
(意見には個人差があります)。

ところが、今回の目玉展示のコーナー
『四季』と『四大元素』の連作、全8作が並んだ展示室に入ってみると
そこはもうアルチンボルドの真骨頂。
こういう作品を描くことで、アルチンボルドは唯一無二の個性を
手に入れたのかも知れない。

『四季』と『四大元素』は、同じ特性を共有するもの同士を組み合わせて
関連性のある4つのペアができるように構成されている。
花々で描かれた《春》と、鳥たちで描かれた《大気》、
世界中の野菜で描かれた《夏》と様々な武器で描かれた《火》、
きのこやぶどうなど秋の収穫物で描かれた《秋》と獣たちで描かれた《大地》、
冬の枯れ枝で描かれた《冬》と様々な魚介で描かれた《水》。
それぞれを並べて展示すると、お互いが向かい合う形になる仕掛けになっている。

それにしても、なんでまたこのような奇妙奇天烈な作品を描いたのか。
特に節くれ立った枯れ木や枝で表現された《冬》は
皇帝マクシミリアン2世の寓意像と言われているのだけど
自分のことをこんな姿で描かれたら…普通は怒るんじゃないだろうか(^^;。

ところが当時の社会では、季節は冬から始まるとされるため
物事の始まり=冬として、マクシリミリアン2世が描かれ
更に四大元素や四季といった、世界を構成するものを描くことで
世界を支配する皇帝を称揚する、そんな意図を持って描かれたらしい。

これらの作品は、一見グロテスクで気持ちが悪い。
しかし、描かれているものや動植物をひとつひとつ観察してみると
すべてが実に写実的に描かれていて驚嘆する。
自然科学に深い関心を寄せていたマクシミリアン2世だからこそ
このような不思議な作品を受け入れることが出来たのかも知れない。


この展覧会は『アルチンボルド展』という名前だが
約100点の出品作品のうち、アルチンボルドの作品は10数点に過ぎない。
その中にはレオナルド・ダ・ヴィンチの素描もあったりするのだけど
正直なところ、アルチンボルドの作品以外で
個人的に強く印象に残るものは多くはなかった。

アルチンボルドの作品以外で、2週間経った今でも
出品作品リストのタイトルを眺めながら
「あー、これは印象に残ってる」と言えるのは
魚介類を博物学的にリアルに描いたヤーコポ・リゴッツィの作品。
日本画なんかでもそうなのだけど、
アタシはどうやらこんな風に、図鑑や見本帳のように
動植物をリアルに描いたものが好きらしい(^^;ゞ。


『四季』『四大元素』以外のアルチンボルド油彩画は、他に
『ソムリエ(ウェイター)』
『司書』
『法律家』
といった、それぞれの職業に関連するものを組み合わせて描いた肖像画や
『庭師/野菜』
『コック/肉』
といった、上下を反転すると異なる意味を持った作品になる
「だまし絵」的なものが出品されている。


こんなシュールな絵を、この時代に描いていたなんて
アルチンボルドはかなり進んだ人だったんじゃないかと思う。
そんな奇抜で進んだ感覚を買われてか、
宮廷の祝祭行事や馬上試合の演出、装飾や衣装のデザインなども任されたらしく
それらのデザイン画も展示されていたが
こちらもかなりユニークだった…(^^;。




最後は恒例のグッズショップ。

なにやら美味しそうだったので、かりんとう2種。
arcintou.jpg
中身は「麻布かりんと」の野菜ミックスと、はちみつジンジャー。
どちらも美味しい(*^^*)。
(特に野菜ミックスのたまねぎ味のかりんとうがお気に入り)。
…にしても、ジャコメッティ展といい、最近流行っているのか?かりんとう。


それと、ポストカードも…と思ったのだけど
どうせ買うなら《四季》《四大元素》全8種を揃えたい。
でもたかがポストカードでも8枚買うとそれなりの金額だ。

うーん、どうしよ…と思っていたところ、視界に飛び込んできたのが
《コンセプトブック》(¥800)。
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B5サイズのばらばらのカード8枚に、アルチンボルドの油彩画を中心とした
16点の作品が、解説と共に載っている。

コレイイ!(。゜▽゜)

図録よりも安くて手軽、
ポストカード8枚買うより安いし、印刷も綺麗。見た目もオシャレ。
これで十分。…ていうか、ドンピシャ。



まぁなんというか、なかなか個性の強い、
マニアックな香りのする展覧会だが、かなり楽しめたことは確か。
アルチンボルドの作品を、これだけまとめて観られる機会も
なかなかないのではないかと考えると、かなり貴重な展覧会かも知れない。
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